『ボディ・アンド・ソウル』(1925)

『ボディ・アンド・ソウル』(1925)

無声映画伴奏

2025年6月18日

金曜日

/ 6:00 pm

(EST)

at ウォルター・リード劇場(リンカーンセンター)

/ 165 W 65th Street, plaza level, New York, NY 10023

  • Event Overview:
    この上映は、「The Other America: A Cosmology of Jordan Peele’s Us」シリーズの一環として行われます。

    オープニングナイト特別上映(二本立て): 『ボディ・アンド・ソウル』は午後6時より上映(上映後にShana L. Redmond氏とMichael Gillespie氏によるトーク、およびレセプションあり)、 『Us/アス』は午後9時15分より上映されます。

    先駆的な黒人映画監督、オスカー・ミショーが遺した最も大胆な作品のひとつである『ボディ・アンド・ソウル』。ポール・ロブソンが映画初出演にして二役を演じ、アメリカの宗教と司法制度に潜む矛盾を浮き彫りにします。逃亡犯でありながらカリスマ的な説教師になりすます男と、その誠実で心優しい双子の兄。ロブソンの分身的な演技は、見た目と真実の乖離、そして人種的暴力、精神的欺瞞、経済的困窮にさらされた共同体のなかで生じる分裂を体現しています。

    『Us/アス』よりおよそ1世紀も前に制作された本作は、ドッペルゲンガーというモチーフを、抽象的な罪悪感や秘められた罪の象徴としてではなく、人種差別社会が個人に強いる「内なる分裂」として描き出しました。それは、1903年にW・E・B・デュボイスが提唱した「二重意識」の概念とも重なります。ミショーによるサイレント時代の傑作である本作は、人種をテーマに据えたメロドラマとして、形式の大胆さと政治的メッセージの鮮烈さによって、今なお観る者に強い印象を残し続けています。

    松村牧亜によるピアノ生伴奏付き。 ジョージ・イーストマン博物館が保存する35mmプリントでの上映です。
  • 『ボディ・アンド・ソウル』(1925年/アメリカ) 監督:オスカー・ミショー
    35mm/サイレント(英語中間字幕付き)/105分